2023年のFeelosopher’s Path

Adventure continues…冒険は続きます

「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。
(If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.)- アイザック・ニュートン

私たちFPコミュニティーはこれまでの10年間で、生徒たちや保護者そして家族で雪山登山をしたり、極寒のキャンプ地へ冒険に出たり、屋久島縦走やしなまみ海道でアウトドアEDUCATIONを開催したり、アメリカサマーキャンプに参加したり、中山道や東海道を野宿しながら500km近くも歩いたり、槍ヶ岳、奥穂高やジャンダルを目指してきました。ですが、これはFP設立1年目からできた訳ではありません。

毎年段々と大きな冒険にチャレンジできるようになったのは、FP設立1年目から縁でつながり一緒に活動してくださった保護者や生徒たちと一緒に、安心と安全なコミュニティーを築きながらひたすらに「快適ゾーンの外へ」出ることを目指してきたからです。

この夏、エリンと一緒にFP10年という頂きに立ったその先には沢山の頂が見えてきました。

「叡智をつなげる」

冒険と同様に、私も1年目から教育のことがわかっている訳ではありませんでした。

長年教育を先導してきた教育者たちが私と時間を共にしてくれることで、私に叡智をつないでくださいました。

公私に渡り「教育哲学・人生価値観の共有」をしてくださいました。

私たちはこれまで先人の肩に乗らせてもらいました。これからの11年目からは、私たちが先人になること。多くの人たちに私たちの肩に乗ってもらうことです。

それは「誇れる冒険教育でコミュニティーと共に成長していく素晴らしさを魅せること」です。コミュニティーを通して、共に成長していく素晴らしさを魅せることです。そして、成長の機会を通して、子育てをより豊かにしていくことです。

この先、僕らの肩に乗っていくのは、決してFPの保護者や生徒たちだけではなく、これから子育てをしていく世代、枠の外の教育を必要としているご家族や教育者たちです。子育ては唯一無二なので、そっくりそのまま参考にはならないでしょう。でも、力強く進んでいる私たちの姿は「大きなインスピレーション」になります。

FPは「The whole family approach – 家族全員アプローチ」

世界には色々な教育がありますが、一番大切なのは、常に「未来を築いていく子供たちが心身ともに健全に成長しているか」です。

そして、もうひとつ大切なのは「子育てをしている私たちの心身ともに健康でいるか」です。

The whole child approachとは、 子供のアカデミックな面だけではなく、心身ともの健康を含め、社交面、感情面、身体的面での成長、そして、その子の健全な成長にとって何が必要かを継続して見極めていくアプローチです。これは、短期的なものではなく、長期的な関わり合いを必要とするアプローチです。

FPコミュニティーでは、その枠を広げたThe whole family approach 家族全員の心身ともの健康を含め、社交面、感情面、身体的面での成長を大切にするアプローチです。家族みんなで健全に成長していくアプローチです。

FPは「豊かな子育て」を次世代に魅せていく

この夏に感じたことがありました。それは「残念ながら、昔ほど日本は海外から興味を持たれていない」ということです。昔は海外を旅していると、旅先の知らない人たちから「日本は一度は訪れたい国なんだ。でも、物価が高いと聞くから」と言われたり、「今、日本での最先端の技術は何か?」と聞かれたりしていました。また、過去には日本の幼児教育などが注目され、わざわざ視察に訪れていた国々もありました。

日本に住んでいると、日本国内だけで注目されているものばかりを目にするし耳にします。でも、世界レベルでみた時に、日本は昔ほど世界から注目されていないように感じます。

Made in Japan(日本製品)を誇れるという僕らの世代から、次世代の子供たちには、Raised in Japan (日本育ち)日本で育ったことが誇れるようになってもらいたいです。

これから世界が魅了するのは国の子育て制度・サポートや、学校教育ではなく、「日本の親の子育て」です。国の制度や学校が不満足でも、最高な子育てをするには日本は豊かなリソースで溢れています。

比較的安全な環境である
便利な交通がある
豊かな自然に囲まれている
出会い・縁を大切にする人たちがいる
たくさんの施設や機会がある
歴史がある

まだまだあります。

世界が羨むほどの子育て環境があっても、それができない場合、その課題は私たちにあります。どこに目を向けるているかです。あるものに対して当たり前になっているかもしれません。もし、私たちが「日本にないものばかり」に目を向けず、あるものに目を向けて十分に活用したとしたら、世界が羨むほどの子育てが日本でできることでしょう。

世界から「日本はこんなに素敵な子育てができるんだ!」
世界から「日本人の親は羨ましい!こんな素敵な環境で子育てができるんだ!」
世界で子供たちは誇りを持って「自分の魅力をお裾分け」することでしょう。

子育て、学校の課題に対して、コミュニティーという形で子育てをより豊かにしていくFPの在り方は大きな社会貢献になります。

これまでの10年間のFPコミュニティーの経験を基に、これからは僕らが「巨人の肩」になること目指します。

「Expeditionary learning 冒険教育」

例えば、以前私がいたアメリカの中学校では、パッションプロジェクトは毎年中身を改善し、数年かけて磨いていきました。そのプロセスで最初のパッションプロジェクトの中身と、最後のパッションプロジェクトの中身は大きく変わっていきました。生徒たちの経験、学びをより豊かにしていけるように、私たちは会議を重ねていきました。

「Expeditionary learning 冒険教育」保護者ミーティングではFPエンリッチメント24を活用しながら、冒険教育のカリキュラムを磨いていきたいと思います。

皆さんにはカリキュラム制作を学んでいただきたいと思います。皆さんの知識、経験、見識、見方、スキル、価値観などで一緒にカリキュラム制作がより良いものになります。保護者ミーティングは冒険教育の戦略会議にしていきます!

この冒険教育のカリキュラムは引き継がれて、より磨かれていくものとなるでしょう。真っ白なキャンパスが意味するものは、Space for Growth to Space for mistakes. 成長の余白と失敗の余白です。

2023年に開始した冒険教育カリキュラムを毎年磨いていきながら、価値あるものにしていきます。

「Show your family color – 家族の色を出していこう!」

FPのご家族は本当に素敵なご家族ばかりです!もっと家族色を出していい!家族の特色。Family Color!

流れに逆らってでも、子供のニーズを見極め、「ウチの方針なので」が良いでしょう。決めた方向に思いっきり猛突進しても良いと思います。大胆に!

その時に、一緒に育んでいけるものがボイスです。ボイスは(信念や信条)です。自分にとって譲れない根幹となるものです。子供たちはこのボイスを育んでいる真っ最中です。

大人になった私たちは人生に関しての信念や信条はあります。しかし、子育てや教育に関しての信念や信条は、子供たち同様に育んでいる真っ最中です。

あまり周りのノイズ(世論、他者の意見)に耳を傾け続けると、そのボイスというのは、聞こえなくなっていきます。

決断や、行動なども、自分のボイス(信念や信条)からくるものではなく、ノイズからくるものになることでしょう。

例えば、目の前の子供のニーズを見るより、周りの雰囲気に惑わされている子育てになっていないでしょうか。

「子供の好きを応援」して、その結果、子供の「快適ゾーンを狭めていくこと」につながっていませんか?

「子供たちは成功体験の積み重ねが必要」といわれて、その結果、できることやできそうなことばかりに手をあげ、自分ができそうにもないことには萎縮していないでしょうか。

「褒めて伸ばしてあげる」ために、まわりから凄いといわれて、凄いといわれないことには手があがらないようになっていませんか。本当であれば、「自分自身を褒めて伸ばす」が良いですよね。

「自主性を育む、主体性を育む」と言いますが、それは、「子供が自分で決めること」で育まれていくのでしょうか。

「それが良いと聞いたことがあるので」「それが良いと読んだことがあるので」というような一般的に言われている「それ」が世の中の雰囲気であり、それより、目の前にいる子をみて「家族でそう決めたので」が良いでしょう。

FPの家族の色は鮮やかで、まったく異なるもの。

相違を認め合い、関わることをでシナジーを生むことができます。

1家族ではできないことでも2家族、3家族集まっていくと、想像もしていなかった素晴らしいエネルギーを作ることができます。シナジーは魅力の相互作用で生まれていきます。

家族色をさらけ出すこと。見せ合うこと。FPのご家族、みなさん鮮やかです!これまでFPで大切にしてきたものは、これからも大切にしていきます。そして、これから目指すものは次世代の子育てと教育を築いていくものです。

「Awakening Excellence. – 素晴らしさの目覚め」

5つのSELF を育んでいくこと。

① Self-Discovery 既知と未知の自分を発見、成長過程中!
② Self-Acceptance 自分を受け入れる、「自分が思う良いところも課題もひっくるめて自分ってイイナ!」
③ Self-Awareness 自分の言動を認識し、どう周りに影響を及ぼすか知ること
④ Self-Care 心身ともの健康を作る
⑤ Self-Advocate サポートもチャレンジも自身で必要性を訴え、手に入れていくこと!

全てSelfがついて「自分」ですが、実は、どれも自分一人で育んでいくことはできません。どれも仲間達、コミュニティーが必要なものです。
そして、自分を含めた「みんな」の中で、Social-Emotional Skills(自他共に関わっていくスキル)を育んでいくことができます。

自分との付き合い方が下手な場合、周りとの付き合い方、関わり合い方も下手です。しかし、Social-Emotional Skillsに磨きをかけると、自分をよく理解し、相手を理解し、関わり合うアプローチがとれるスキルです。

このSocial-Emotional Skillsは、思春期などの「自分探し真っ只中」の期間こそが大きく育んでいけるチャンスの時です。自分に精通し、そして、他者との関わり合いを通して、人生を歩んでいく。この過程で得た価値観は、子供たちを作っていくかけがえのないものです。

この価値観こそが彼らの魅力を引き出すためのものであり、背中を押し続けていくものです。自分たちに高い期待を抱いて、大胆にいきましょう!

FPのビジョン:Mindful Change-Makers for the Next Generation. – 思いやりのある次世代のための変革者になる

これからもFPのコミュニティーが、生徒たちが、家族が、多くの人たちのインスピレーションに!

今瀬博
Erin Stallings

子育てを豊かにする教育のお話:教育の機会を決めるのに、子供本人に任せなかった場合、どうなるでしょうか。

教育の機会を決めるのに、子供本人に任せなかった場合、どうなるでしょうか。
子供たちは意外なことばかりに出会います!

その中には、本人も知らなかった本人自身の以外な魅力も含まれています!

「自分で決めたことは自主的にやるのでは?」という思いがありませんか。

子供たちが自分で決めても、こちらが想像していたような自主的には取り組まない場合があります。

「本人が決めても、思ったより自主的にはやらず、結局はケツを叩く状態なんです」というようなことを聞くことがあります。

そうなると、こちらの最終的なアドバイスは、「自分で決めたことでしょ」くらいになります。

私たち大人も、自分で決めたことで自主的にできないこと、また継続できないことたくさんありますよね。

禁酒、禁煙、禁甘いもの的な。やめなくてもならないもの。

または、逆にやるもの。歩いたり、ジョギングしたり、健康に「最低週に1回は」的なものですよね。

どうやら、決めることと、継続して取り組むことはまったく異なることのようです。

本人に任せる時、子供の心身の状態が良い時でない時があります。

そして、子供の心身の状態が悪い時に「本人に任せる」「本人の人生」だからと、教育の機会の選択を本人に任せるのは果たして、子供たちにとってベストなのでしょうか。

まだまだ必要なサポートやチャレンジが必要な子供たちです。

このまだ、未完全な、何者でもない子供たちに教育の選択を一任しても良いのでしょうか。

家族会議を開き、子供の意見も聞きつつも、最終的な判断は親がした方が良いと思います。でも、それは、いつまで?義務教育期間の間で良いと思います。

大切なのは、「子ども本人が選択する」ことでも、こちらから見て「最善な選択を選ぶ」ことでもありません。

一番大切なのは、「最善な選択ができる心身の状態」に子供たち自身でなれるようにサポートしてあげることです。

それは、きっと感情知性が効いている状態です。エンパワーメントを感じている状態です。

自分にチャンスを与えることができ、まだ、足を踏み入れていない領域に一歩を出せる状態です。

辛いこともきっと糧になることだろうとすでに経験済みであり、そういった機会に手をあげられる状態です。 

Growth Mindset – 成長のマインドセットの状態です。

子供たちが物事を決める時、何を基準にしているでしょうか。

自分の快適ゾーンでしょうか。できることでしょうか。

楽なことでしょうか。想像できる範囲内のことでしょうか。

それでは、子供が感情知性を育んでいる最中はどうしたら良いか。

それは、大きな教育の機会の決断を本人に任せない。

教育の機会を子供本人任せで決めないとどうなるか。

子供たちは意外なことばかりに出会います。

その中には、本人も知らなかった本人自身の以外な魅力も含まれています。

私たちは、みんなWork in Progress – 成長過程中 

子育てを豊かにする教育のお話:生徒たちはエンパワメントを感じているみたいです。 「EMPOWERING KIDS」

生徒たちはエンパワメントを感じているみたいです。
「EMPOWERING KIDS」


「エンパワメント!」 先日、本屋をブラブラしていると、やたら目に飛び込んでくるのは「~活」そして「~力」という文字。最近、この手のタイトルの本がズラっと並んでいます。


これから成長していく子供たちは、社会や学校からどんな活動や力を要求されるのでしょうか。果たして、そういった活動や力は必要なのでしょうか。


私が子供たちに必要と考えているのは「エンパワメント」 です。ちなみに日本語では「湧活」と言います。「活」 がついてしまいました!!!! でも、上記のいわゆる 「活動」とは違うので、ややこしくならないようにエンパワメントと言いたいと思います。


辞書で引くと、 エンパワメント(Empowerment、湧活)とは一般的には、個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、 組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになること、人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させることと定義される。


エンパワメントは色々な分野で使われ、ビジネスや社会運動に関しても使用されます。
私たちは以下のように教育分野で使用しています。


「エンパワメントとは、物事を子供たちが選択し、なおかつ、その失敗体験や成功体験も成長体験と感じ、 「俺すごい」「私できる」など自己肯定を感じる気持ち」

Empowering をする時の3つのルール
ルール1:「選択肢は子供たちと一緒に考えるものであって、提供しない」 ルール2:「選択するのはあくまでも子供」 ルール3:「どんな結果でも、ポジティブな所に光をあてる」


例えば、キャンプに行ったとします。効率を考え、 子供の年齢や体の大きさ、そして、経験を考慮して班に分けます。そして、「A班はテント立てて、それでB班は夕食の準備。はい、頑張ろう!」と声をかけ、協力して、準備をします。テントも設置完了、そして、 夕食の準備もできました。「できた。素晴らしい!」 と子供たちを褒める。子供たちも「できた」と。


一方、「Empowering kids」を意識してキャンプをします。「今から、テント張ったり、夕食の準備をしたりします。他にもしなくてはならない事に気がついたら言ってください」班決めはしません。子供たちの意見を尊重します。「私は火を起こしてみたい。」「僕はテントを張りたい。」中にはそれらをやった事のない子供たちがいるかもしれませんので、時間がかかるかもしれません。ヘッドライトをつけて、暗闇の中、まだまだ時間がかかります。


ゴールが「Empowering kids」であった場合、効率性は二の次です。できあがったテントを見て、「できた!」夕食も「できた!」と子供たちは喜びます。「次はなに?」「他に何かすることある?」と話します。しかし、 効率を優先して、Empowering Kidsを二の次にした場合、「できた」と子供たちが発言しても、多くは報告の「できたよ」が多いです。そして、「次は何?」と言う子は少ないでしょう。何か頼まれる前にどこかへ行ってしまうでしょう。


このエンパワメントは普段の生活にも流れ込んでいきます。自分ができること、できそうな自分が存在することに気がつき、突進していくでしょう。
子供たちが自尊心や自信を育むためにはこのエンパワメントは必要不可欠です。
What’s next?

子育てを豊かにする教育のお話:「あなたはどんな人になりたい?」

「あなたはどんな人になりたい?」職業ではなく、どんな人になりたいか。

時に、私たち大人は子供たちに「あなたの人生なんだから」と言います。しかし、子供が「自分の人生なんだから、ほっといて」という年齢になった時、子供たちはどんな成長の機会を通して、大切にしていく価値観を心に深く刻んでいるのでしょうか。知識でなく、価値。

多くの失敗と成長を伴う成長体験から、そして、多くの出会った人たちから学んだ価値観はプライスレスです。それはその子自身を作っているもので、絶対に無くしたくないものです。

そして、どんな選択肢が目の前にあるかではなく、感情知性を効かせ、どんな最適な選択ができる人に育っているか。これが一番大切なのではないでしょうか。
子供たちは、私たち大人からのメッセージは足りていますが、仲間同士からのメッセージ、そして、実践する機会は足りていません。自分以外のことを学ぶ機会は足りていますが、でも、自分のことを学ぶ機会は足りていません。そして、その機会を目の前にしても、子供たち自らそれを成長の機会として関われないかもしれません。


ライフスキルにばかり焦点をあてていないだろうか。

子供たちは「できる、できない」ばかりに囚われていないだろうか。そして、年齢以上のことを求められ、できる事、できない事に悲観していないだろうか。子供たちは一年一年に細かく成長を区切られ、求められる事が多いのではないだろうか。例えば、6年生に求められるものは、5年生よりはるかに大きい。その点、大人は大きな目で見られている。20代、30代、40代、など。

日本の学校では、圧倒的な時間を使い、自分以外のことを学んでいる。そして、自分のことを良く知らない子が多いです。そして、大人になった時、「自分探しの旅」が始まります。大人になってから、「自分探しの旅」が始まることが決してダメという事ではありません。大切なのは、その旅に出ていく時に持っていく価値感です。ライフレッスンで学んだ価値です。

ライフスキルより、ライフレッスンはいつ学ぶのだろうか。例えば、子供たちはモットーを持って何かに取り組んでいるだろうか、キャンプの途中、キャンプ後に行くロードトリップの話しをしたら、「今、存在する」と一喝されてしまった。

今、目の前にある機会は瞬く間にすぎていく。目の前にある物事、人にコミットしなければならない。「Being Present」存在する。どちらも、生徒たちが自分たちで決めたモットーです。

僕らは目の前にいる生徒を見ていても、遠くを見ている。最低でも半年後のチャレンジを考えている。実は簡単なようで、実はそう簡単ではない。それは、子供たちとの距離感が影響するから。距離感が近いと、その子の長い目で見た成長というのを、親の希望や期待として話せますが、実際に、半年後のチャレンジとなると、それはどんな姿なのでしょうか。

そして、その快適ゾーンは親が持つ快適ゾーンに影響される。子供が快適ゾーンの外に出ようとすると、大きくブレーキをかける。「まだ、いいんじゃないの?」「来年はどう?」「まだ、五年生だから」親も快適ゾーンを広げていかなければならない。

準備ができてからのチャレンジは、既にその子にとってチャレンジではない。
親や先生としては「予想通りの成長」より「予想外の成長」の方が嬉しくはないでしょうか。
そっちの方が絶対ワクワクしますよね。

子育てを豊かにする教育のお話:親がいないところ快適ゾーンの外かもしれない

親がいないところ快適ゾーンの外かもしれない
思い通りにいかない機会快適ゾーンの外かもしれない
想定外の状況への心身ともの対応。快適ゾーンの外かもしれない
快適ゾーンの中は、甘えを出せる領域。頑張らなくてもできてしまう物事に溢れている。よく知っている人たちに囲まれている。チャレンジしなくても良い雰囲気。すなわち、既知の自分。知っている自分がいる場所。新しい発見や意外なことはあまり見つからない領域。

特に、「まだ、何者でもない子が、すでにsomeone special (自分は特別)と思っている子」は、快適ゾーンの外に出る壁は高いです。また、「自分と他者に期待が高い子」も壁が高いです。「失敗するのが怖い子」も壁が高いです。

どんどん壁は高くなっていきます。倒せれば自分の人生のミッションへの架け橋になりますが、ほとんどの場合は、「ちょっとした気持ち」に圧倒されて、快適ゾーンの中にいる選択をします。

一方で快適ゾーンの外は、意味がわからない。勝手がわからない。自分の役割がわからない。できないことばかり。知らない人ばかり。普段生じない気持ちや気分になる。ワクワクだけではなく、不安も入り混じる。必死。冷や汗をかく。未知の自分。新しい発見や、違う視点、意外な自分の1面に出会える領域。

「意識」が変わったら、子供たちの行動って変わるのではないかなと考えがちです。だから、「よく理解させる」ことが、「大きく意識が変わる」と思いがちです。頭ではわかっているけど、気持ちが行動にうつさない。
でも、「意識」だけではなく、「気質」が大きく行動の選択を左右しているとしたら?
その子が持つ気質などは、親や先生が知っていても、子供は知らない場合の方が多いです。こちらかみると、「明らかでしょ!」って思うかもしれませんが、子供たちは、自分の「気質」を知らないことの方が多いです。
のんびりや、せっかち、頑固、楽観的などなどに加えて、一番主義、固定マインドセット、自他への期待が高い、間違えたくないなどなど。
良くも悪くも、自分の「気質が起因している」出来事は、どの環境においても、どのグループにおいても、どの機会においても、同じ出来事に遭遇するかもしれません。その場合は、この場所でもそうか。このグループでもそうか。この機会でもそうかと思いがちです。しかし、自分の気質が起因していると感じる子はどれくらいいるでしょうか。そして、気質は子供自身が大きく機会を生む場合もあれば、機会を失う場合もあります。

折り合いをつけるためには、折り合いをつける相手(自分)を知ること。折り合いをつける自分って誰だろう。折り合いをつける自分のこと、どれくらいよく知っているのだろうか。

自分が一番自分の理解者か?自分が一番適切なアドバイスをしてくれるか?自分が一番自分と上手に付き合えているか?
子供たちの特権。本人は冷めていても、本人以上に、人としての成長に熱くなってくれる仲間達、先輩後輩、先生、友達のお父さんお母さん、関わってくれる大人たちがいる。心配してくれたり、指導してれたり、叱ってくれたり、ガイドしてくれたり、アドバイスしてくれたり、一緒に冷や汗をかいてくれたり。

感情知性は大人になってから、一緒に取り組んでくれる仲間や大人はグっと減りますので、子供たちの特権ですよね。親から手が離れた時、どんな人たちが子供たちの周りにいるでしょうか。どんな人が関わってくれるでしょうか。そして、window of opportunity がどんどん閉まっているとしたら?
この夏、家族以外と長い期間活動しますか。その活動中、知らない人との出会いはありますか。その活動中、知らないアイデアを試すことができますか。その活動中、普段にはない役割を持つことができますか。

快適ゾーンの外にでて、感情知性を育む。
「感情知性を効かせる」という言い方があります。
効かせるという場合は、気持ちにスマートにならざるおえない状況かもしれません。そして、その自分の気持ちに適切に対応でき、適切な選択をしている時、「感情知性を効かせる」という言い方。感情知性を効かせなくてはならない、心がエクセサイズできる機会をこの夏にチャレンジしてください。

子育てを豊かにする教育のお話:希望的観測ではなく、「成長過程中」!

取り組めば、努力すれば、現状は変わっていきます。未来も大きく変わっていきます。

しかし、希望的観測であれば、「そうなってほしい」と願うだけですので、

現状は変わりませんし、未来も望んだものにはならないかもしれません。

「時間がたてば、できるようになっていくだろう。」

「時間がたてば、大丈夫になるだろう」

というような「希望的観測」は持っていると、色々な成長の機会、出会いを失ってしまうことでしょう。

その希望的観測の反対にあるのが、「成長過程中」です。

「絶賛成長過程中!」と言えるくらいが良いでしょう。

「希望的観測」の中に、努力や取り組みはありませんが、「成長過程中」には、取り組みやチャレンジが満載です。取り組みがあるということは、お祝いもできます。これは、子供たち自身が自信や自己肯定感、自尊心を育む上で最も大切なプロセスです。

子どもたちは魅力が満載です。

その魅力を引き出していく機会と関わり合いが必要です。

周りと比べる必要はありません。

才能より、魅力。

そして、「成長には時間がかかる」というのを僕らが知る必要があります。

それを僕ら大人が再度経験していかなければなりません。成長とはどういったものなのか「学び直し」が必要です。

僕らもまだまだ魅力引き出し終わっておりません!

子供だけに大きな成長を願わず、僕ら大人も自身に高い期待を持って、成長を魅せていきましょう。

認めてもらえる人を探すのではなく、

自身が認められるように、チャレンジしてくれる人に出会いましょう。

経験から得る価値観はプライスレスです。

子どもの手元に価値あるものを残さず、子供自身が「自分は価値ある人」だと感じる心を残していきましょう。

子育てを豊かにする教育のお話:家族みんなで紋章製作でQUALITY TIME!

子供のことでぶつかり合うんだったら、子育ての成長に関して、建設的なアイデアをぶつけ合えたらいいですね。

年末、今年の振り返りに今瀬家のCoat of Arms(紋章)を作りました。

家族の美的感覚もかなり違うので、思うようにはいかないですが、

家族みんなで大切にしていることが紋章となってできあがりました。

お互いの意見に耳を傾けたり、限られたスペースにどうやって表現していくかなども

アイデアをぶつけ合う。

最初に下書きはないので、作りながら、どんどんアイデアが出てきて、想像もできない素敵なものになりました。それが楽しい!

EVERYDAY IS A MIRACLE (毎日が奇跡!)

そして、みんなが好きなパクチー!と 車中泊の旅!

  1. 食卓
  2. 創作
  3. 挑戦
  4. 誠実

この6つはこれから大切にしていこうというより、もうすでに大切で実践している今瀬家の価値となっているもの。これからも大切にしていこうとみんなで話し合いました。

もう一つ大切なことは、作ったものに、機能を一つ追加することで、それを使ったり、見る頻度が多くなります。このCoat of Armsには時計の機能を追加しました。見る頻度が高い!

パパはどこ?と娘が私ではなく、絵のパパを指差すようになってしまいました。

子育てを豊かにする教育のお話:「教育的リスクをとる」とは?

「教育的リスクをとる」とは?

結論:手を離しても、口を出せる距離にいるからよくない!親が口と手が出せない距離まで下がることで、子供の成長は倍増します。子供の姿がずっと小さくなるような距離まで、一層見えなくなる距離まで下がってみてください。帰ってきた子供の姿はとっても大きく映ることでしょう。

教育的リスクとは、生徒たちが得られる経験を第一に考え、手を離すことです。

「可愛い子には旅をさせよ」という言葉。

これは送り出す親側が教育的リスクをとっています。

子供が一人で旅をするのですから、身の安全を心配することでしょう。

「怪我をしたらどうしよう?」

「事故にあうのか心配」

「事件に巻き込まれないか」

でも、子供たちが一人旅で得られる経験はプライスレスですよね。

一緒にやってもらっていたことを一人でやるわけですから、勝手がわからないこともありますし、上手くいかないことが前提です。

親が教育的リスクをとると、子供たちはリスクテイカーになる機会が増えます。

リスクテイカーとは、結果が見えていなくても、成功するか失敗するかわからなくても、チャレンジしてみる人です。

リスクテイカーは身体的なチャレンジばかりではありません。

人前で自分をさらけ出してありのままを話すことだってリスクテイカーです。

自分の交友関係を広げていくのもリスクテイカーです。

自分の作品をみせるのもリスクテイカーです。

パパさん、ママさん、「それ、本当に子供だけではできないですか?」

「まだ、できないのでは?」と感じているのであれば、「やらせてみたことがないから」なのではないでしょうか。

家にいる姿と、外での姿が違う子供たちもいます。

親が子供の家の中での姿だけで機会を決めてしまわないようにしましょう。

そして、子供たちも家の姿だけで自分の存在価値を決めてしまわないようにしましょう。

「まだできない」は親が言う言葉より、

子供たちが、「まだできない」と、取り組みながら、頑張っている最中に使う言葉だとしたら、どんなに素敵なことでしょうか。

親が教育的リスクを積極的にとれる場合、親自身が快適ゾーンの外に出ていき、リスクテイカーになっている場合がほとんどです。

継続してリスクテイカーになり続けることで、経験をする大切さ、学びの豊かさを身に染みていますから。

子育てを豊かにする教育のお話:思春期を黄金期にするというコミットメント

結論:思春期を黄金期にするというコミットメントを親がしよう。

コミットメントは「自分との約束」です。できる限りのベストを尽くすこと。ベリーベストを尽くすこと。

思春期は脳の可塑性が高まる時期です。

子供たちは、どんな価値観、信条、信念で形作られていますか?

価値観で自分を築いていこう。

思春期の人生経験は、子どもたちの人生の価値観、自分の存在価値を劇的に変化させる事ができる可能性に満ちた時期です。

思春期は人生の中でも一番大変な時期だけど、子供たちの成長においてはかけがえのない時期です。

窓にかすかに映る自分の姿ばかり見る生徒に、窓の外に広がる世界を見せて、その世界とつなげていくのも思春期です。

思春期は自己意識が高くなります。

しかし、自意識が高いからといって自分をよく知っているわけではないです。

しかし、「自分のことは自分が一番知っている」と子どもたちは勘違いします。

、自分が周りにどう映っているのか、どう思われているのかを気にします。

自分はどんな人なのかと自分に目が向いていく時期です。

そんな時期だからこそ物事を学ぶことやスキルを学ぶ事ではなく、自分を知る経験が必要です。これからの人生で長い付き合いをしていく自分を知ることです。学校以外、家以外での自分に出会っていくこと。旅に出ること。

思春期は魔法が効く時期なんです!

快適ゾーンの外での経験を単発ではなく、継続し続けている子は思春期を黄金期にしていくことでしょう。ここでのキーワードは継続していくことで、快適ゾーンの外に出ていくことを当たり前にしていくことです。

い、新しい自分の領域に足を踏み入れていくことにチャンスを与えられる時期です。何度も何度も「初めまして私」と新たな一面の自分とハグをする時期です。

子育てを豊かにする教育のお話:大人の「これまで」で、子どもの「これから」を邪魔しない。

結論:大人のこれまでのプチ体験で子供のこれからの人生の経験を邪魔しない。

「人生の素晴らしいことは快適ゾーンの外で起きている」という言葉があります。

言葉を聞いて理解することと、経験して冷や汗をかいて身に染みさせていくことは違います。

多くの場合は、言葉を想像し、経験をせずに、わかっている気になっています。

わかることが目的ではありません。価値にしていくことです。

子どもたちが成長して、大きくなっても、手をひいて、アクションをとらない子どもに、快適ゾーンの大切さを伝え続けたいのか。

それとも、手を離し、快適ゾーンの外に出る経験をさせ続け、彼ら自身が人生において「快適ゾーンの外に出る」この大切さを自分を作る価値にして自身を押し出していく推進力にしていくのか。

大人の「これまで」で、子どもの「これから」を邪魔しない。

プチ体験は経験でない。プチ体験のアドバイスは迷惑なものです。

「できないと思うよ」

「無理だと思うよ」

「大人でも大変だよ」

それは、全部、プチ体験からの言葉。

本当に経験しようとする子たちにはそういった言葉は必要ないです。

それより、チャレンジしていく子どもたちを応援してください。

その方が気持ちがいいでしょう。