ヒロ先生の独り言

2023年のFeelosopher’s Path

Adventure continues…冒険は続きます

「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。
(If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.)- アイザック・ニュートン

私たちFPコミュニティーはこれまでの10年間で、生徒たちや保護者そして家族で雪山登山をしたり、極寒のキャンプ地へ冒険に出たり、屋久島縦走やしなまみ海道でアウトドアEDUCATIONを開催したり、アメリカサマーキャンプに参加したり、中山道や東海道を野宿しながら500km近くも歩いたり、槍ヶ岳、奥穂高やジャンダルを目指してきました。ですが、これはFP設立1年目からできた訳ではありません。

毎年段々と大きな冒険にチャレンジできるようになったのは、FP設立1年目から縁でつながり一緒に活動してくださった保護者や生徒たちと一緒に、安心と安全なコミュニティーを築きながらひたすらに「快適ゾーンの外へ」出ることを目指してきたからです。

この夏、エリンと一緒にFP10年という頂きに立ったその先には沢山の頂が見えてきました。

「叡智をつなげる」

冒険と同様に、私も1年目から教育のことがわかっている訳ではありませんでした。

長年教育を先導してきた教育者たちが私と時間を共にしてくれることで、私に叡智をつないでくださいました。

公私に渡り「教育哲学・人生価値観の共有」をしてくださいました。

私たちはこれまで先人の肩に乗らせてもらいました。これからの11年目からは、私たちが先人になること。多くの人たちに私たちの肩に乗ってもらうことです。

それは「誇れる冒険教育でコミュニティーと共に成長していく素晴らしさを魅せること」です。コミュニティーを通して、共に成長していく素晴らしさを魅せることです。そして、成長の機会を通して、子育てをより豊かにしていくことです。

この先、僕らの肩に乗っていくのは、決してFPの保護者や生徒たちだけではなく、これから子育てをしていく世代、枠の外の教育を必要としているご家族や教育者たちです。子育ては唯一無二なので、そっくりそのまま参考にはならないでしょう。でも、力強く進んでいる私たちの姿は「大きなインスピレーション」になります。

FPは「The whole family approach – 家族全員アプローチ」

世界には色々な教育がありますが、一番大切なのは、常に「未来を築いていく子供たちが心身ともに健全に成長しているか」です。

そして、もうひとつ大切なのは「子育てをしている私たちの心身ともに健康でいるか」です。

The whole child approachとは、 子供のアカデミックな面だけではなく、心身ともの健康を含め、社交面、感情面、身体的面での成長、そして、その子の健全な成長にとって何が必要かを継続して見極めていくアプローチです。これは、短期的なものではなく、長期的な関わり合いを必要とするアプローチです。

FPコミュニティーでは、その枠を広げたThe whole family approach 家族全員の心身ともの健康を含め、社交面、感情面、身体的面での成長を大切にするアプローチです。家族みんなで健全に成長していくアプローチです。

FPは「豊かな子育て」を次世代に魅せていく

この夏に感じたことがありました。それは「残念ながら、昔ほど日本は海外から興味を持たれていない」ということです。昔は海外を旅していると、旅先の知らない人たちから「日本は一度は訪れたい国なんだ。でも、物価が高いと聞くから」と言われたり、「今、日本での最先端の技術は何か?」と聞かれたりしていました。また、過去には日本の幼児教育などが注目され、わざわざ視察に訪れていた国々もありました。

日本に住んでいると、日本国内だけで注目されているものばかりを目にするし耳にします。でも、世界レベルでみた時に、日本は昔ほど世界から注目されていないように感じます。

Made in Japan(日本製品)を誇れるという僕らの世代から、次世代の子供たちには、Raised in Japan (日本育ち)日本で育ったことが誇れるようになってもらいたいです。

これから世界が魅了するのは国の子育て制度・サポートや、学校教育ではなく、「日本の親の子育て」です。国の制度や学校が不満足でも、最高な子育てをするには日本は豊かなリソースで溢れています。

比較的安全な環境である
便利な交通がある
豊かな自然に囲まれている
出会い・縁を大切にする人たちがいる
たくさんの施設や機会がある
歴史がある

まだまだあります。

世界が羨むほどの子育て環境があっても、それができない場合、その課題は私たちにあります。どこに目を向けるているかです。あるものに対して当たり前になっているかもしれません。もし、私たちが「日本にないものばかり」に目を向けず、あるものに目を向けて十分に活用したとしたら、世界が羨むほどの子育てが日本でできることでしょう。

世界から「日本はこんなに素敵な子育てができるんだ!」
世界から「日本人の親は羨ましい!こんな素敵な環境で子育てができるんだ!」
世界で子供たちは誇りを持って「自分の魅力をお裾分け」することでしょう。

子育て、学校の課題に対して、コミュニティーという形で子育てをより豊かにしていくFPの在り方は大きな社会貢献になります。

これまでの10年間のFPコミュニティーの経験を基に、これからは僕らが「巨人の肩」になること目指します。

「Expeditionary learning 冒険教育」

例えば、以前私がいたアメリカの中学校では、パッションプロジェクトは毎年中身を改善し、数年かけて磨いていきました。そのプロセスで最初のパッションプロジェクトの中身と、最後のパッションプロジェクトの中身は大きく変わっていきました。生徒たちの経験、学びをより豊かにしていけるように、私たちは会議を重ねていきました。

「Expeditionary learning 冒険教育」保護者ミーティングではFPエンリッチメント24を活用しながら、冒険教育のカリキュラムを磨いていきたいと思います。

皆さんにはカリキュラム制作を学んでいただきたいと思います。皆さんの知識、経験、見識、見方、スキル、価値観などで一緒にカリキュラム制作がより良いものになります。保護者ミーティングは冒険教育の戦略会議にしていきます!

この冒険教育のカリキュラムは引き継がれて、より磨かれていくものとなるでしょう。真っ白なキャンパスが意味するものは、Space for Growth to Space for mistakes. 成長の余白と失敗の余白です。

2023年に開始した冒険教育カリキュラムを毎年磨いていきながら、価値あるものにしていきます。

「Show your family color – 家族の色を出していこう!」

FPのご家族は本当に素敵なご家族ばかりです!もっと家族色を出していい!家族の特色。Family Color!

流れに逆らってでも、子供のニーズを見極め、「ウチの方針なので」が良いでしょう。決めた方向に思いっきり猛突進しても良いと思います。大胆に!

その時に、一緒に育んでいけるものがボイスです。ボイスは(信念や信条)です。自分にとって譲れない根幹となるものです。子供たちはこのボイスを育んでいる真っ最中です。

大人になった私たちは人生に関しての信念や信条はあります。しかし、子育てや教育に関しての信念や信条は、子供たち同様に育んでいる真っ最中です。

あまり周りのノイズ(世論、他者の意見)に耳を傾け続けると、そのボイスというのは、聞こえなくなっていきます。

決断や、行動なども、自分のボイス(信念や信条)からくるものではなく、ノイズからくるものになることでしょう。

例えば、目の前の子供のニーズを見るより、周りの雰囲気に惑わされている子育てになっていないでしょうか。

「子供の好きを応援」して、その結果、子供の「快適ゾーンを狭めていくこと」につながっていませんか?

「子供たちは成功体験の積み重ねが必要」といわれて、その結果、できることやできそうなことばかりに手をあげ、自分ができそうにもないことには萎縮していないでしょうか。

「褒めて伸ばしてあげる」ために、まわりから凄いといわれて、凄いといわれないことには手があがらないようになっていませんか。本当であれば、「自分自身を褒めて伸ばす」が良いですよね。

「自主性を育む、主体性を育む」と言いますが、それは、「子供が自分で決めること」で育まれていくのでしょうか。

「それが良いと聞いたことがあるので」「それが良いと読んだことがあるので」というような一般的に言われている「それ」が世の中の雰囲気であり、それより、目の前にいる子をみて「家族でそう決めたので」が良いでしょう。

FPの家族の色は鮮やかで、まったく異なるもの。

相違を認め合い、関わることをでシナジーを生むことができます。

1家族ではできないことでも2家族、3家族集まっていくと、想像もしていなかった素晴らしいエネルギーを作ることができます。シナジーは魅力の相互作用で生まれていきます。

家族色をさらけ出すこと。見せ合うこと。FPのご家族、みなさん鮮やかです!これまでFPで大切にしてきたものは、これからも大切にしていきます。そして、これから目指すものは次世代の子育てと教育を築いていくものです。

「Awakening Excellence. – 素晴らしさの目覚め」

5つのSELF を育んでいくこと。

① Self-Discovery 既知と未知の自分を発見、成長過程中!
② Self-Acceptance 自分を受け入れる、「自分が思う良いところも課題もひっくるめて自分ってイイナ!」
③ Self-Awareness 自分の言動を認識し、どう周りに影響を及ぼすか知ること
④ Self-Care 心身ともの健康を作る
⑤ Self-Advocate サポートもチャレンジも自身で必要性を訴え、手に入れていくこと!

全てSelfがついて「自分」ですが、実は、どれも自分一人で育んでいくことはできません。どれも仲間達、コミュニティーが必要なものです。
そして、自分を含めた「みんな」の中で、Social-Emotional Skills(自他共に関わっていくスキル)を育んでいくことができます。

自分との付き合い方が下手な場合、周りとの付き合い方、関わり合い方も下手です。しかし、Social-Emotional Skillsに磨きをかけると、自分をよく理解し、相手を理解し、関わり合うアプローチがとれるスキルです。

このSocial-Emotional Skillsは、思春期などの「自分探し真っ只中」の期間こそが大きく育んでいけるチャンスの時です。自分に精通し、そして、他者との関わり合いを通して、人生を歩んでいく。この過程で得た価値観は、子供たちを作っていくかけがえのないものです。

この価値観こそが彼らの魅力を引き出すためのものであり、背中を押し続けていくものです。自分たちに高い期待を抱いて、大胆にいきましょう!

FPのビジョン:Mindful Change-Makers for the Next Generation. – 思いやりのある次世代のための変革者になる

これからもFPのコミュニティーが、生徒たちが、家族が、多くの人たちのインスピレーションに!

今瀬博
Erin Stallings

これからのギフティッドの子育て

日本のギフティッド教育に関しては次の10年間は迷走期でしょう。

その迷走期、周りが右往左往したり、立ち止まっている中で、あなたはどういった行動を選択しますか。

ギフティッドにとってこの教育ラベルはずっと必要なものではありません。

雰囲気は霧のようなもの、子育てを見極める時に「最適なもの」が見えなくなる。

雰囲気で子育てをしているのであれば、子供に最適な機会は提供できないでしょう。

「そうやって周りもやっているので」「ギフティッドの子供たちにはそれが良いって聞いたんで」など、目の前にいる子のニーズを見極めるのではなく、周りの雰囲気での子育てをしていないだろうか。

ギフティッドの気質や特徴で似ているところがあったとしても、目の前にいるみなさんの子供は唯一無二であること。

Mutual Respect(相互の尊敬)があって初めて彼らとの教育が始まる。

1人の生徒のAwakening Excellenceに必要不可欠な要素

ここでリストしているものは、オプションではないです。ギフティッドの子育てに必要不可欠なものです。

心身ともに安心できる安全な環境

心身ともの健康をつくるウェルネス

成長過程中という状態の3年間

一番複雑になる思春期に、快適ゾーンの外にでていく機会

友達、親友ではない仲間たち

メンターとの関わり合い

内省的知能を育む取り組み

Authenticなアカデミックチャレンジ

彼らの根幹を築く感情知性教育

彼らの最適な学び方を学メタ認知教育

彼らの信条や信念を育むキャラクター教育

ソーシャルエモーショナルスキルを育む機会

生徒たちの成長を願うのではなく、大人たちが成長を魅せること

まだまだたくさんあります。

それでもあなた一人、家族だけで子育てをしますか?

「人生の素晴らしいことは快適ゾーンの外で起きている」

この概念。みなさんは聞いたことがあるでしょう。モットーにしている人たちもいるでしょう。

でも、それを自分の信条や信念の一部になっている人はどれくらいいるでしょうか。

それは、一緒に苦労や喜びが満載の成長を共にした仲間たち、先輩、後輩がいなくても、

そこで経験した自分のモノにした価値観、信念や信条、ボイスが彼らの背中を押し続けます。

その本人が本人を押し出し続ける価値観を一緒に経験することが全てです。

概念を価値観と作り変え、自分を作るものとする。

頭でっかちの子ではなく、信念や信条、自分にとってかけがえのない価値観を持つ子に育てる。

SELF-ADVOCATEができるように育てる

自分の成長に必要なサポートとチャレンジを声を大にしていえる。

親が一番の頑張りどきでしょう。色々な情報の中、色々なノイズに惑わされることなく、

目の前にいる子のニーズを見極めなくてはなりません。

なので、何かギフティッド教育を提供されるのを「待つ」のであれば、あなたの子育ては後手後手となることでしょう。

また、ギフティッド教育と称し、あなたの子供が受けられたものが、まったく自分の子のニーズを満たすものではなかったら、その後はどうしますか?

既存の物にラベルを張り替えて提供されただけのものかもしれません。

いわゆる一般的な子育てが通用しない。

「え?だってまだ、ウチの子は5歳だから、まだ大丈夫なのでは?」と思うかもしれませんが、

しかし、その5歳児は必要な教育が必要な時期にあるということです。必要とする経験があります。

チャレンジする必要があるから「見極める」

なので、年齢は関係ありません。

当たり前の話ですが、もう一度。

誰でも、どの教育機関でもギフティッドを「対象」にできます。

でも、ギフティッドにとって最適な「教育」ができるわけではありません。

「ギフティッドの子供たちにギフティッド教育が必要」というのは半分当たっていて、半分はずれです。確かにギフティッド教育が必要かもしれませんが、必要なのは、その生徒の成長にとって必要な教育、成長においての安全な環境が必要ということです。アメリカにおいてのギフティッド教育・ギフティッドプログラムもピンキリです。質の良いものもあれば、悪いのもあります。当然のことです。

なので、その「ギフティッド」という教育ラベルに騙されないということ。ラベルにこだわらないこと。こだわるのは、自分の子供にとってベストな成長の環境、成長に必要な機会、それを一緒にしている人たちです。

保護者は、才能や能力でのマウントの取り合い、IQスコアでのマウントの取り合いをしていないでしょうか。また、悩みの共有だけで終わっていないでしょうか。ギフティッドを「理解するだけ」「理解してもらうだけ」で終わっていないでしょうか。理解するのは、あくまでも、彼らをチャレンジするためです。挑戦するためです。もし、「理解してもらいたい」という気持ちがあるのであれば、あなたが求めているものは、もしかしたら、Accomodation特別配慮かもしれません。 

彼らが必要なのは、挑戦、そして、その挑戦をしていくのに必要なCoping Mechanism(対応するメカニズム)でしょう。

そして、あなたにとってWELLNESS(心身ともの健康)は必要不可欠なもの。

どうやって心身ともの健康を作りながら、子育てをしていますか。

ギフティッドの子供たちは、必要な時期に必要なことを経験したら、その教育ラベルは剥がれます。

親はその経験を提供しないのであれば、そもそもこの教育ラベルをつけるべきではありません。

後はどんな道でも歩んでいけばいい。その時には、彼らは自分をの魅力を世界に魅せるためにSelf-Advocateができていることでしょう。たくさんの人たちを関わりあいながら、自分のミッションを達成するために必要な機会やサポートを声に出しているでしょう。

周りのノイズを聞かず 自分のボイス(信条や信念)に耳を傾ける。

ギフティッドの子育てに必要なのは、あなたのボイス(信条や信念)です。

「Brace for impact – 衝撃に備えて」- 思春期

「Brace for impact – 衝撃に備えて」

思春期は大変!

理不尽な時期にいる子供たちも大変!

親も大変。

鉄則は同じジェットコースターにのらないこと。

子供の状況で一喜一憂しないこと。

と言いながらも、「Embrace it – ありのままを受け入れて、2度こない思春期を楽しんで!」とも伝えたい。

ホルモンのバランスが崩れるこの時期の子たちの気持ちはアップダウンが激しいです。

そして、親の更年期障害と子供の思春期が重なるのも、より大変さが増します。

何かうまくいかない。今までのセオリーが通用しない。今までうっすらのラインでもなんだかんだ言うことを聞いていた子が、言うことを聞かなくなる時期です。親は大切にしていることに関してはしっかりとライン引きをしてあげること。でも、そのラインに関して、疑問を持ち、押し返してくるのがこの時期です。

とにかく、彼らは大変な時期を過ごしているんです。

理解してくれる人は誰一人いないだろうと感じる時期です。でも、多くの彼らが持つ悩みは、将来の不安であったり、進学などの不安、友人関係の悩みなど、彼らが集まって話してみると、8割以上は共通する悩みなんです。ただ、「誰もわかってくれないだろう」という思いが、「自分しか抱えていない悩み」と捉えてしまいます。

ほとんどの思春期の本に関しては、「理解してあげる」というアプローチの本がほとんどです。「関わっている側の理解」も大切ですが、より大切なのは、「本人が自身を理解すること」に挑んであげることです。

本人が自意識過剰になった時こそ、目が外に向いていた時から、自分に向いた時、自分を知る経験をすることです。

自意識過剰になると周りの目が急に気になります。

どう思われているのか気になります。そういった気持ちが色々な行動の選択に影響していきます。

決して「自意識過剰=自分のことを理解している」ではありません。単に興味が自分に向いているだけです。

しかし、その興味というのは、今までの「知りたい!」「やってみたい!」というようなポジティブな興味ではなく、不安からくるものです。

自信のなさからくるものです。

「自分って誰なんだろう」と。周りと比べて、余計に「自分って何者でもない」と感じることも多い時期です。

私たちは思春期は黄金期にする時期と考えています。思春期を黄金期にするというコミットメント。

コミットメントは「自分との約束」です。できる限りのベストを尽くすこと。ベリーベストを尽くすこと。

脳の可塑性が高まる思春期。

脳はプラスチック。プラスチックはどのような形にでもなります。

どんな価値観、信条、信念で形作られていますか?

価値観で自分を築いていこう。

思春期の人生経験は、子どもたちの人生の価値観、自分の存在価値を劇的に変化させる事ができる可能性に満ちた時期です。

思春期は人生の中でも一番大変な時期だけど、成長においてはかけがえのない時期です。

窓にかすかに映る自分の姿ばかり見る生徒に、窓の外に広がる世界を見せて、その世界とつなげていくのも思春期です。

思春期は自己意識が高くなります。

しかし、自意識が高いからといって自分をよく知っているわけではないです。そして、「自分のことは自分が一番知っている」と子どもたちは勘違いします。しかし、自分が周りにどう映っているのか、どう思われているのかを気にします。自分はどんな人なのかと自分に目が向いていく時期です。

そんな時期だからこそ物事を学ぶことやスキルを学ぶ事ではなく、自分を知る経験が必要です。これからの人生で長い付き合いをしていく自分を知ることです。学校以外、家以外での自分に出会っていくこと。旅に出ること。

思春期は魔法が効く時期なんです!

中1から高2の5年間が黄金期の枠になることでしょう。体格にもよります。環境にもよりますが、この時期の3年間だと思っています。

まだ出会っていない、新しい自分の領域に足を踏み入れていくことに、自身にチャンスを与えられる時期です。快適ゾーンの外での経験を単発ではなく、継続し続けている子は思春期を黄金期にしていくことでしょう。ここでのキーワードは継続していくことで、快適ゾーンの外に出ていくことを当たり前にしていくことです。

「概念」を経験を通して人生において大切な「自分だけの価値あるもの」にする

「大切なんだよ」と、子どもが経験しそびれた価値を僕らが前に周り、手をひっぱって伝え続けるのか。

それとも、子どもたちなりにその大切さを経験し、自分の手で自分の背中を押していけるようになりたいのか。それは、この黄金期に経験したことが大きく影響していくことでしょう。

例えば、「快適ゾーンの外に出る」ことの大切さは言葉で読んで頭で理解するものではありません。

快適ゾーンの広さはそれぞれ。だから、それぞれの経験を通して、「自分だけの価値のあるもの」にすること。これを体に身に染みていくことが、価値観が自分を築いていくこととなります。

よく、小4や小5くらいで「思春期かもしれません」と

聞きますが、思春期ではなく、反抗期であったりするだけです。思春期はもっと先です。

言葉数が減る

イライラしている

ムードスイングがある

急に寝癖を気にしはじめる

髪の毛の流れを気にしはじめる

鏡を持って歩く

大きな窓に映り込む自分を見る

色々なところに体をぶつけはじめる

匂いが変わる

親とすることを嫌う

親と外で歩くのは恥ずかしい

思春期と一括りにされるのは嫌がりながらも、孤独は怖がる時期

彼らはほっといてもらいたい。でも 同時に、見ていてもらいたい。

とっても混沌とした理不尽な時期。

「周りと違う」ことで、いわゆる「自信」を持つ時期です。

髪型、服装、やっている趣味などなど。

でも、それは一時的な「自信」であり、その揺るぎない自信や、その自信から溢れるエネルギーは微々たるものです。

経験不足だけど、子どもたちはストレッチされているか。色々な方面に引き伸ばされているかは、多方面で活動しているかにも影響してきます。

「まだ何者でもない、だから、誰にでもなれる」

これは、子どもたちが感じることであって、僕ら大人が言葉で伝えるものではありません。

このような当たり前のようなことを伝える必要がある時期。

思春期は「すでに何者かである必要がある」と感じる時期です。

自分を定義しがち。自分の好き嫌いを決めがち。

自分をタイプ分けしがち。

その結果、想定内の自分に出会うだけで、意外な自分には会うことはできないでしょう。

普段の自分じゃない自分を見る機会。

自分が人生において大切にしていきたい価値観を経験から得る機会。

どんな人になりたいか、または、どんな人になれるかを感じられる機会。

そこで得た価値観は、揺るぎない自信につながっていきます。

知識は増えていくけど、信念や信条は?自分に関しての知識は圧倒的に少ない時期。

物事にチャレンジできないには

「子供に自信がないから」

「子供の自己肯定感が低いから」

旬を逃さない。

旬というのは、その子にとってどんな経験が必要か、どんな機会を欲しているか。

それは、決して子どもが「やりたい」ことではありません。

旬 =「やりたくなくても必要な経験」

教育は見極めの連続です。

お互いの変容ぶりに

「そうやって言ってくれると嬉しい」

「私って頑張ってるのかな」

「自信がない」

結果より過程。

何も続けられないと嘆いてはいるが、頭の中で完了させず、色々なことをココロミテルのか。

Who do you want to be? どんな人になりたい?

希望は持った方がいい。取り組めば、努力すれな、未来は、現状は変わっていきます。

何もしなくても状況は好転していくだろう。時間がたてば、できるようになっていくだろう。

というような「希望的観測」は持たない方がいいです。

それは、「希望的観測」の中に、努力や取り組みがないから、時間が過ぎてしまうだけ。

簡単に「大丈夫です」とは言えない時期です。

でも、状況は良くなくても、「取り組んでいるから大丈夫です」と言える時期です。

Work in progress – 成長過程中!

魅力はその子にしか持っていないもの。

FPの子どもたちはその魅力を引き出していく機会と関わり合いに溢れています。

それは旨味のようにじっくり出てくるものです。

周りと比べる必要はありません。

才能より、魅力。そもそもその生徒にしかない「らしさ」

成長は時間がかかるというのを僕らが知る必要があります。

自分の魅力を引き出していく。それを僕らが経験していかなければならない。

承認欲求が高まる中、認めてもらえる人を探すのではなく

自分が自分を認められるようにチャレンジしてくれる人に出会う。

プライスレスな経験から得る価値感。

その価値観が素晴らしさを開花させる。

子どもの手元に価値あるモノを残さず、自身が価値ある人だと心に感じる子ども時代にする。

黄金期にするコミットメント。

一番大変なのは、後手後手にまわる場合。

その手は大切な経験をした手。価値観をしっかりと握りしめている手です。

子供だけの成長願わず、僕ら大人も自身の成長をみせていく

アメリカサマーキャンプ1日目

FPアメリカサマーキャンプ 第1日目

飛行機は少し遅れての出発でした。
思った以上に短いフライト時間。
こんなに近いのに、こんなに簡単に来れるのに、この3年間はとても遠い場所になっていました。

サンフランシスコの空港にはエリンと息子が出迎えてくれました。
ホストファミリーも出迎えてくれました。

お店の店員の人以外はほとんどマスクをしていません。レストランの中もマスクをしている人はいなくて、あごにマスクをかけて食べている人もいなくて、本当に普段のサマーキャンプの夏の状態と変わりません。

今日も快晴、あっという間の3週間。1日1日FPの生徒たちとスタッフとの時間を楽しみたいと思います。今年はFPユニバースとFPワールドというテーマです。楽しみです!The Best Summer Camp Ever Campを目指して!

子育てを豊かにする教育のお話:教育の機会を決めるのに、子供本人に任せなかった場合、どうなるでしょうか。

教育の機会を決めるのに、子供本人に任せなかった場合、どうなるでしょうか。
子供たちは意外なことばかりに出会います!

その中には、本人も知らなかった本人自身の以外な魅力も含まれています!

「自分で決めたことは自主的にやるのでは?」という思いがありませんか。

子供たちが自分で決めても、こちらが想像していたような自主的には取り組まない場合があります。

「本人が決めても、思ったより自主的にはやらず、結局はケツを叩く状態なんです」というようなことを聞くことがあります。

そうなると、こちらの最終的なアドバイスは、「自分で決めたことでしょ」くらいになります。

私たち大人も、自分で決めたことで自主的にできないこと、また継続できないことたくさんありますよね。

禁酒、禁煙、禁甘いもの的な。やめなくてもならないもの。

または、逆にやるもの。歩いたり、ジョギングしたり、健康に「最低週に1回は」的なものですよね。

どうやら、決めることと、継続して取り組むことはまったく異なることのようです。

本人に任せる時、子供の心身の状態が良い時でない時があります。

そして、子供の心身の状態が悪い時に「本人に任せる」「本人の人生」だからと、教育の機会の選択を本人に任せるのは果たして、子供たちにとってベストなのでしょうか。

まだまだ必要なサポートやチャレンジが必要な子供たちです。

このまだ、未完全な、何者でもない子供たちに教育の選択を一任しても良いのでしょうか。

家族会議を開き、子供の意見も聞きつつも、最終的な判断は親がした方が良いと思います。でも、それは、いつまで?義務教育期間の間で良いと思います。

大切なのは、「子ども本人が選択する」ことでも、こちらから見て「最善な選択を選ぶ」ことでもありません。

一番大切なのは、「最善な選択ができる心身の状態」に子供たち自身でなれるようにサポートしてあげることです。

それは、きっと感情知性が効いている状態です。エンパワーメントを感じている状態です。

自分にチャンスを与えることができ、まだ、足を踏み入れていない領域に一歩を出せる状態です。

辛いこともきっと糧になることだろうとすでに経験済みであり、そういった機会に手をあげられる状態です。 

Growth Mindset – 成長のマインドセットの状態です。

子供たちが物事を決める時、何を基準にしているでしょうか。

自分の快適ゾーンでしょうか。できることでしょうか。

楽なことでしょうか。想像できる範囲内のことでしょうか。

それでは、子供が感情知性を育んでいる最中はどうしたら良いか。

それは、大きな教育の機会の決断を本人に任せない。

教育の機会を子供本人任せで決めないとどうなるか。

子供たちは意外なことばかりに出会います。

その中には、本人も知らなかった本人自身の以外な魅力も含まれています。

私たちは、みんなWork in Progress – 成長過程中 

子育てを豊かにする教育のお話:生徒たちはエンパワメントを感じているみたいです。 「EMPOWERING KIDS」

生徒たちはエンパワメントを感じているみたいです。
「EMPOWERING KIDS」


「エンパワメント!」 先日、本屋をブラブラしていると、やたら目に飛び込んでくるのは「~活」そして「~力」という文字。最近、この手のタイトルの本がズラっと並んでいます。


これから成長していく子供たちは、社会や学校からどんな活動や力を要求されるのでしょうか。果たして、そういった活動や力は必要なのでしょうか。


私が子供たちに必要と考えているのは「エンパワメント」 です。ちなみに日本語では「湧活」と言います。「活」 がついてしまいました!!!! でも、上記のいわゆる 「活動」とは違うので、ややこしくならないようにエンパワメントと言いたいと思います。


辞書で引くと、 エンパワメント(Empowerment、湧活)とは一般的には、個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、 組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになること、人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させることと定義される。


エンパワメントは色々な分野で使われ、ビジネスや社会運動に関しても使用されます。
私たちは以下のように教育分野で使用しています。


「エンパワメントとは、物事を子供たちが選択し、なおかつ、その失敗体験や成功体験も成長体験と感じ、 「俺すごい」「私できる」など自己肯定を感じる気持ち」

Empowering をする時の3つのルール
ルール1:「選択肢は子供たちと一緒に考えるものであって、提供しない」 ルール2:「選択するのはあくまでも子供」 ルール3:「どんな結果でも、ポジティブな所に光をあてる」


例えば、キャンプに行ったとします。効率を考え、 子供の年齢や体の大きさ、そして、経験を考慮して班に分けます。そして、「A班はテント立てて、それでB班は夕食の準備。はい、頑張ろう!」と声をかけ、協力して、準備をします。テントも設置完了、そして、 夕食の準備もできました。「できた。素晴らしい!」 と子供たちを褒める。子供たちも「できた」と。


一方、「Empowering kids」を意識してキャンプをします。「今から、テント張ったり、夕食の準備をしたりします。他にもしなくてはならない事に気がついたら言ってください」班決めはしません。子供たちの意見を尊重します。「私は火を起こしてみたい。」「僕はテントを張りたい。」中にはそれらをやった事のない子供たちがいるかもしれませんので、時間がかかるかもしれません。ヘッドライトをつけて、暗闇の中、まだまだ時間がかかります。


ゴールが「Empowering kids」であった場合、効率性は二の次です。できあがったテントを見て、「できた!」夕食も「できた!」と子供たちは喜びます。「次はなに?」「他に何かすることある?」と話します。しかし、 効率を優先して、Empowering Kidsを二の次にした場合、「できた」と子供たちが発言しても、多くは報告の「できたよ」が多いです。そして、「次は何?」と言う子は少ないでしょう。何か頼まれる前にどこかへ行ってしまうでしょう。


このエンパワメントは普段の生活にも流れ込んでいきます。自分ができること、できそうな自分が存在することに気がつき、突進していくでしょう。
子供たちが自尊心や自信を育むためにはこのエンパワメントは必要不可欠です。
What’s next?

Out of the box thinking – 型にはまらない考え方

アメリカ出発まで残り1週間、エリンとたくさんの問題解決をしなくてはなりません。

問題解決が必要な時、

アイデアに関して、やれること、想像できることは箱の中の思考であり、

問題は解決できないかもしれません。

でも、

「それ絶対無理じゃないかな」

「まったく想像できない」

そういった事を思った時がチャンス。

そう思ったら、箱の縁まできています。

でも、そこまでは誰もが立てるエリアです。

「それ絶対無理じゃないかな」

「まったく想像できない」

のままでいたら、きっと箱の中の思考でしょう。

もし、その絶対無理というものに、想像できないものを疑いながらでもいいから

解決方法の一つとしてやってみると、意外に上手くいくかもしれません。

そして、こう感じることでしょう。

「問題が起こってよかった。なぜなら、より良いやり方が見つかった。そもそも、なんで、このやり方で最初からやらなかったんだろう」と。

そして、こう感じることでしょう。

「なんて頭がガチガチになっているんだ」と。

思考のコリがあると、新しい価値や視点なんて得ることはできません。

まずは、冷や汗をかいて、思考のコリをほぐしていく。

夏は汗だけではなく、冷や汗もかいていきましょう。

大人も成長過程中!

FPコミュニティーの保護者のメンバーたちとこの夏に西穂高岳からジャンダルムを通り、奥穂高への縦走へのチャレンジのトレーニングのために裏妙義に行ってきました。

天気は最高!1年に何度もこんな天気の日は登山日にあたらないでしょうというくらい空は青く、暑くもなく、風もなく、清々しい日でした。
最初の2時間の急登で息が上がり、日頃の運動不足がわかります。高度への恐怖、鎖場の技術など、見たことがあっても、やってみないと、思ったように自分の体が動かないことも知ります。

チムニーという狭い幅の箇所を20mほど下りなくてはなりませんが、上からビレイをして、そして、皆さんもセルフをチェーンにかけて、下りていきますが、みんなでチムニーを攻略できたことが私にとって1日のハイライトでした。

僕らが学び直さないとならないのは、「できるようになる」という成長過程です。それは、きっと同じように「できるようになる」ために取り組んでいる子供たちとの関わり合いに大きく影響することでしょう。僕らも一緒です。いくら登山をyoutubeで見たって、難しい箇所を頭に入れたって、できるようにはなりません。「知る」=「できる」ではありません。「取り組めば、できるようになる」という成長マインド思考は、どんな逆境においても、道を切り開いていけます。

現在の体力面だけではなく、技術面も確認ができる日でした。自分へのフィードバックはプライスレス。

「準備なくやれました」という結果重視より、「取り組んでやることができました」はプロセス重視。ジャンダルムに向けて、まだまだレベルアップ、スキルアップ!

FPアウトドアEDUCATION@しまなみ海道の振り返り

キッチンカーを生徒たちと押しながら、しまなみ海道を渡ってきました。

FP WE BUILD 2022

Build..

キッチンカーを作りましたが、作ったのはそれだけではありませんでした。

初めての冒険に出た生徒は、たくさんの自信を育みました。

みんなで力を合わせて成し遂げる機会を作りました。新学期、新学年、自分と向き合う機会を作ってくれました。

たくさんの問題解決の機会を作ってくれました。自分を知る機会、自分と関わる機会はプライスレスです。

肌寒い日も続きましたが、スタートとゴール日は晴天に恵まれ、桜も満開で、とっても思い出深い冒険となりました。

出発して数日後、私はキッチンカーを押す生徒たちを見ながらこんな事を思いました。

「人生において、みんな、キッチンカーと一人きりの状態ってあるんだろうな。実はその状態であるということを知らないのかもしれない。知っていても、どうしたら良いのかわからないのかもしれない。」

一人でキッチンカーを引っ張っぱって、進む方向性は決められるかもしれないけど、大きくは動かすことはできない。一人で押してみても前は見えず、どこに向かうかわからない。タイヤは壊れ、壊れて動かなくなるまで進むことはできるが、それはあまりにも無計画だろう。引っ張っても無理、押しても無理。進めるのは数十メートルだろう。

どうにかしたいのであれば、周りに頼るしかない。

前にすすみたいのであれば、周りにAsk for a helpするしかない。

自分一人だけでは何ともならない。

参加した生徒たちはきっと同じ意見だと思う。

「一人では無理。」

でも、実際はキッチンカーと一人っきりという似たような状態でも「一人で」何とかしようとしているのではないか。

どのような場合でも、周りに一緒に押してくれる人、一緒に引っ張ってくれる人、一緒に旅を楽しんでくれる人がいることを知っていて欲しい。Ask for a help

「一人では無理かもしれないけど、誰かと、仲間たちとならできる」ことを経験することができたことでしょう。

時にはお互いの手をつなぎ、背中を押し、そして、応援し合う。それは、新年度が始まり、生徒たちは各自それぞれチャレンジすることがあるでしょう。また、取り組みがあることでしょう。それらもきっと周りにAsk for a helpしたら、見られる景色が大きく変わることでしょう。

キッチンカーとの旅は色々な喜びを与えてくれました。桜の下や、海辺、トンネルの中、素敵な場所を選んで温かいご飯を食べることができます。そういった中で、ウェルネスを実践してみる。食べるものに意識を向けたり、休息をとることに意識を向けたり、仲間たちと寝食を共にし、素敵な休憩場所を見つけ、食事を分かち合い、野宿をきめる旅は、今までに経験したことがない旅となりました。

想定外だったのが、キッチンカーが初日で故障してしまうということだったと思います。塩ビのフレームや、板など、そういったところで修理が必要なのは事前に予想はしていましたが、キッチンカーの前タイヤ2つが、出発した日の夕方までに壊れ、早くも問題解決の機会がやってきました。お互いへの応援もそうですが、キッチンカーへの応援が大きかったかもしれません。

「しまなみの青いタイヤ」

初日のランチでキッチンカーをオープン!因島大橋を渡る前で、丁度、腹ごしらえが必要でした。周りにはサイクリスト達がいますが、キッチンカーのブルーシートの裏で何が起きているかも想像がつかないことでしょう。

桜を見ながらの焼きうどんは最高でした。そして、準備万端で出発した時、左前輪からガタガタという音が聞こえ、足をひきずるようなガタン、ガタンと前進するたびに嫌な音が聞こえてきました。

キッチンカーの扱い方がよくありませんでした。歩道の段差は乗り越えられないと話しても、手で前側を持ち上げようとせず、勢いをつけて乗り越えようとさせ、1回目の大きなダメージがありました。異変に気がついたのは、2回目です。大きなセカンドインパクトで、完全に左前輪が右前輪に比べて奥に入ってしまいました。このキッチンカーが動かなくなった時点でキッチンカーとはもう旅はできないという瞬間が驚いたことに出発して4時間で来てしまいました。

キッチンカーを倒して状態をチェックします。手では全く曲げ直すこともできず、前と後ろを逆にして進むことができないかなど模索しました。最終的には結束バンドで前進の形で固定しました。

負担を減らすために、キッチンカーに載せている荷物を僕らのバックパックに移し、それは生徒たちにとって大きな負荷となりました。そして、因島大橋を渡り終え、今晩の野宿スポットに向かっている時、今度は右のタイヤからノイズが発生し、ベアリングが内部で破損していることがわかりました。不安な気持ちで、進んでいると、ラッキーなことにホームセンターが見えてきました。生徒たちは、完全に壊れる前に問題解決をするということでした。

今回、シンデレラフィットという言葉を使い、キッチンカーを制作してきましたが、この青いタイヤこそがシンデレラフィットとなりました。結束バンドでフレームに縛り付けただけで、前輪との高さが同じとなりました。キッチンカーは息を吹き返しました。具合の悪い前輪を大きくサポートしてくれる存在となりました。僕らの旅は、この青いタイヤにかかっていました。

「しまなみの青いタイヤはどんなシンボルになりましたか。その理由は」

「青いタイヤは復活と改善のシンボルになった。何故ならキッチンカーの前輪が壊れた時に青いタイヤで復活し、さらに小回りがきくようになったから。壊れても復活して、間違っていたところを改善することを意味するシンボルになった。」

「青いタイヤは自分にとって支えのシンボルである。もし、僕が青いタイヤの旗が見たとしたら僕はこう思うだろう。「あんなにキッチンカーの車輪がボロボロだったのに、青いタイヤを付けたら、キッチンカーとゴールできた。同じようにどんなに辛くてボロボロであろうと、青いタイヤを自分に付けたら、最後までゴールできる」と。」

「青いタイヤは、自分にとって再生のシンボルだ。あのキッチンカーは一度壊れたが、青いタイヤを付けてからは、再び安定して動かすことができた。逆に言えば、あの青いタイヤを付けていなかったら、ゴール出来なかったかもしれない。」

「僕にとって青いタイヤは、壊れた時こそ頑張る、というシンボルになった。理由はどんな物も壊れる時は壊れるから。 」

「僕にとって青いタイヤは運が奇跡を起こすシンボルだ。何故ならキッチンカーが壊れたとき、自分が良いのかどうかわからないけど成功したから。」

「自分にとっての青いタイヤは復活のシンボルです。なぜかというとみんなの心が折れたときに青いタイヤがみんなの心を復活したからです。」

Whatever it takes. 何がなんでも。そんな力強さを持ってこれから進んでいけることでしょう。

たくさんの人に頼り、たくさんの人に頼られる人になってもらいたい。

冒険は続く。